狭い川のようになった海峡は、ヘラジカやヒグマのような大形動物にとってほとんど移動の障害とならず、渡ることができたのであろう。
地球は、およそ一〇万年の周期で氷期と問氷期を繰り返してきた。
一つ前の氷期の海面低下量は最終氷期よりも大きく、朝鮮半島と対馬海峡に陸橋ができ、陸続きになったと考えられる。
ヒグマの化石は本州中部以北の各地の地層から見つかっている。
このことから、西の陸橋からではなく、ヘラジカ同様、ヒグマも北の陸橋を伝って本州にやってきたと考えられる。
寒冷であったおよそ一万年前に最終氷期は終焉し、気候は温暖化に向かった。
気候の変化は生物の分布に非常に大きな影響を与える。
亜寒帯性の森林や草原は縮小してしまい、寒い地方の生活に適応していたヒグマにとって、温暖化した本州はすみづらいところになってしまった。
本州からヒグマが滅びた原因は気候変動にあったと考えられる。