ヨーロッパのブナ林は、最終氷期のあと(およそ一万年前以降)に回復したもので、構成種は貧弱である。
また、同じ日本のブナ林でも、日本海側と太平洋側のものでは、その気候の違いから、構成種がずいぶん異なる。
日本海側のブナ林には、チシマザサやヒメアオキ、ハイイヌガヤ、ヒメモチなどがみられ、これらの植物の多くは、日本海側の多雪気候に適応してきたものである。
それに対し、太平洋側のブナ林には、スズタケやツクバネウツギ、ヤマボウシなどがみられる。
丹沢のブナ林にも、オオモミジガサやレンゲショウマなど、日本固有の植物がみられる。神奈川県のブナ林も、最終氷期を生き抜いてきた植物たちの宝庫なのである。