わたしは社会人になってしばらくしてから、デビッド・リンチの『イレイザーヘッド』を見ました。
このとき、デジャヴのように襲ってきたのは、底辺の下宿生活者としてのわたしをとらえていた浪人時代の妄想でした。
あの1年のあいだに起こったことは冗談のような、夢のような密度をもっていたからです。
『イレイザーヘッド』はリアリズムです。
木や森に親しんでいたリンチは、初めての都市フィラデルフィアでの下宿部屋でのすえた暗さに、わたしのごとく打ちのめされたにちがいないでしょう。
わたしの映画人生に決定的な影響をあたえた『ブルー・ベルベット』もまた、上京して初めて遭遇したアザーサイド・オブ・ザ・ワールドを追体験させるものであり、また自分が育った田舎の人間関係を別の相のもとに見直すきっかけとなる映画でした。
『ツイン・ピークス』もリンチ演出のヨーロッパ・バージョンを繰り返し見れば世界がゆるやかに崩壊していくのを体で感じることができます。
もしあなたが都市の大学に進学する気のある田舎の高校生なら、なるべくいろんな人間の住む雑然としたアパートに入ることをすすめます。
他人の生活を「覗く」ということのスリルとセックスの不可解が君を虜にすることは確実です。
覗きと勃起。
あなたは崩壊するでしょう。
人生が訳のわからないものになることは必至です。
まったく人生なんて訳がわからないのです。
歳をとれば安定した距離と態度がとれるかと思っていましたが、家庭があろうが、子供が3人いようが関係なく、ますます混迷してきたというのが実感です。
観念肥大の淋しき生活者に、リンチ作品は救済であり続けるのです。
このとき、デジャヴのように襲ってきたのは、底辺の下宿生活者としてのわたしをとらえていた浪人時代の妄想でした。
あの1年のあいだに起こったことは冗談のような、夢のような密度をもっていたからです。
『イレイザーヘッド』はリアリズムです。
木や森に親しんでいたリンチは、初めての都市フィラデルフィアでの下宿部屋でのすえた暗さに、わたしのごとく打ちのめされたにちがいないでしょう。
わたしの映画人生に決定的な影響をあたえた『ブルー・ベルベット』もまた、上京して初めて遭遇したアザーサイド・オブ・ザ・ワールドを追体験させるものであり、また自分が育った田舎の人間関係を別の相のもとに見直すきっかけとなる映画でした。
『ツイン・ピークス』もリンチ演出のヨーロッパ・バージョンを繰り返し見れば世界がゆるやかに崩壊していくのを体で感じることができます。
もしあなたが都市の大学に進学する気のある田舎の高校生なら、なるべくいろんな人間の住む雑然としたアパートに入ることをすすめます。
他人の生活を「覗く」ということのスリルとセックスの不可解が君を虜にすることは確実です。
覗きと勃起。
あなたは崩壊するでしょう。
人生が訳のわからないものになることは必至です。
まったく人生なんて訳がわからないのです。
歳をとれば安定した距離と態度がとれるかと思っていましたが、家庭があろうが、子供が3人いようが関係なく、ますます混迷してきたというのが実感です。
観念肥大の淋しき生活者に、リンチ作品は救済であり続けるのです。